オフショア終身生命保険で見られる一般的な見積書を見ていこうと思います。
まずは、一番気になるお金の部分を先に見ておきましょう。生命保険には次の3種類のお金があります。
Premium 保険料 |
保険契約者が保険者(保険会社)からの保障・給付に対して支払うお金 |
---|---|
Death Benefit 死亡保障 |
被保険者が亡くなった際に保険会社から支払われるお金 保険金とも呼ばれる |
Cash Value 解約返戻金 |
保険契約者が保険契約を中途で解約した時に、保険会社から払い戻されるお金 |
オフショア生命保険で見られる特徴として、死亡保障(Death Benefit)と解約返戻金(Cash Value)が、確定金額(Guraranteed Value)と非確定金額(Non-Guaranteed Value)という2つの金額に分かれています。
確定金額(Guraranteed Value)は、受取人に支払われることが確定された金額です。
一方、非確定金額(Non-Guaranteed Value)は、金額が変動します。保険会社は生命保険の契約者から支払われた資金を債券などの金融商品で運用を行います。その保険会社による運用結果により、非確定金額として受け取る金額の大小が決まります。
上記の見積書サンプル例で見てみましょう。
この見積書では以下のようなプランとなっています。
加入時年齢 (Age) | 35歳 |
---|---|
性別 | 男性 (Male) |
喫煙の有無 | 非喫煙者 (Non-smoker) |
通貨 (Currency) | 米ドル (United States Dollars) |
基本保障額 (Initial Basic Face Amount) |
236,440米ドル |
月額保険料 (Initial Total Monthly Premium) |
500米ドル |
契約後経過年数 (End of Policy Year) |
契約時からの経過年数が記され、年数の経過に伴い、死亡保障金額と解約返戻金が増加するのが分かります。 |
保険の種類 | 終身保険 契約後経過年数に記載されている「Age 65」「Age 100」の行は、被保険者が65歳、100歳の際の死亡保障金額と解約返戻金を表しています。通常は、100歳までをカバーする終身保険となっています。 |
保険料支払期間 | 20年払い 支払済保険料(Premium Paid)を見ると、年間保険料が6,000米ドルとなっています。1年で6,000米ドルづつ増え、20年目の120,000米ドルで保険料の支払いが完了していることが分かります。 |
もし、被保険者が保険契約から20年経過後に亡くなった場合、確定金額(Guraranteed Value)である死亡保障の236,440米ドル(2,364万円相当)は必ず支払われます。
この他、非確定金額(Non-Guaranteed Value)部分の死亡保障も併せて支払われます。この見積書では197,167米ドル(1,971万円相当)が概算で算出されています。しかし、保険会社の運用成績により多くの金額となったり、少ない金額となったりと、変動します。
そして、この2種類の金額である確定金額(Guraranteed Value)と非確定金額(Non-Guaranteed Value)の合計金額が、保険会社から支払われます。この見積書では、433,607米ドル(4,336万円相当)が死亡保障金額(Death Benefit)として算出されています。
また、保険契約から20年経過後に保険契約を解約する場合に受け取る解約返戻金を見てみます。解約返戻金(Cash Value)も確定金額(Guraranteed Value)と非確定金額(Non-Guaranteed Value)に分かれています。
解約返戻金(Cash Value)の確定金額(Guraranteed Value)は106,564米ドル(1,065万円相当)となっており、この金額は確定しています。
一方、解約返戻金(Cash Value)の非確定金額(Non-Guaranteed Value)部分として、76,166米ドル(761万円相当)が算出されています。こちらは、保険会社の運用次第で、金額が増減します。
そして、この2種類の金額である確定金額(Guraranteed Value)と非確定金額(Non-Guaranteed Value)の合計金額が、保険会社から支払われます。この見積書では、182,729米ドル(1,827万円相当)が解約返戻金として算出されています。
解約返戻金(Cash Value)と支払済保険料(Premium Paid)の金額を見比べると、保険契約15年経過後で、解約返戻金(Cash Value)が104,641米ドル、支払済保険料(Premium Paid)が90,000米ドルと、解約返戻金(Cash Value)が支払済保険料(Premium Paid)を上回り、損益分岐を超えていることを示しています。