投資リスクを測定するプロセス - 香港カラフルFP

投資リスクを測定するプロセス

一般の投資家が実践すべきリスク管理の原則を並べてきましたが、投資の専門家の視点から見たリスク管理のプロセスについて述べていきたいと思います。リスク管理のプロセスは典型的に4つのプロセス、リスクの特定、リスクの測定、リスクの管理、リスクの監視を含みます。

リスクの特定

固有のリスクを特定する前には十分に事業をしっかりと理解しておく必要があります。例えば、証券会社で特定の顧客に依存する会社でれば、より分散された顧客層を持つ会社に比べて、より高い信用リスクにさられていることになります。事業の本質を適切に見極めないと、特定されたリスクを過剰、もしくは過小に見積もり、または、間違って分類してしまう恐れがあります。

リスクを特定するにあたり、事業にまつわるリスクとして、信用リスク、経済リスク、政治リスクとその影響を把握しておく必要があります。

リスクの測定

リスクを数量化するもっとも一般的な方法は、投資資産のリターン、つまり利益率の変動率(ボラティリティ)を見る方法です。変動率(ボラティリティ)は、利益率の標準偏差で量ることが出来ます。実績の変動率(ボラティリティ)は、実績の平均値の周りに、過去の利益率が個々にどれぐらい分散しているかを表します。また、その実績値をもとに、期待する利益率からの分散を計算するといった将来の見通しを見る際にも用います。

(1) 期待リターン

シナリオ分析を行い、ファンドといった投資資産の利益率の期待値を求めます。まず、相場が上昇する市場(ブル市場)、相場が安定した市場、相場が下落する市場(ベア市場)といった異なるシナリオでファンドの期待リターンを予測します。次に、各シナリオに発生する確率を割り振ります。そして、各シナリオ毎に、期待リターンに発生確率を乗じた数値を合計すると、期待リターンを求めることが出来ます。

(2) 変動率(ボラティリティ)

期待リターンを求めた後に、変動率(ボラティリティ)を求める為に標準偏差を求めます。変動率(ボラティリティ)が高ければ、その投資はリスクが高い、ということを意味します。

(3) シャープ・レシオ

上記例では、ファンドBはファンドAと比較して、より高いリターンと、同時に、より高いリスクを有しています。しかしながら、投資家としては、どちらのファンドが、同程度のリスクで、より高いリターンを得ることが出来るのか、を知りたいところです。この質問に回答するには、リスクフリーレートを上回る投資資産がリターンが1単位のリスクでどれだけあるのかを見るシャープ・レシオを見ることとなります。

ファンドBは高いリターンにも関わらず、ファンドAが同じリスクレベルではより高いリターンを出していることが分かります。

(4)その他のリスクを測定する方法

リスクを測定する方法は他にはこのような方法があります。

1:バリュー・アット・リスク (Value at Risk, VaR):

銀行や金融機関のリスク測定の業界ベンチマークとして、広く用いられています。特定の信頼水準で市場状況が変化した結果として、どれだけ投資金額に変化があるかを測定する指標です。期間1日において99%の信頼水準でVaR(バリュー・アット・リスク)が100万円といった表示を行います。これは、99%の可能性で起こりうる1日最大の損失が100万円である、ということを意味しています。

2:ストレス・テスト:

VaR(バリュー・アット・リスク)は特定の信頼水準における最大の損失を表すのみで、まだ、その金額を超える損失となる可能性があります。ストレステストは、VaR(バリュー・アット・リスク)のこの短所を補うもので、マーケットが特定の大きな動きをした際に、どのように投資のパフォーマンスが変わるかを見るものです。

3:オプション感応度:

期間や利率、変動率(ボラティリティ)といったパラメーターの変化による、オプション価格の変化を測定するものです。

4:デュレーション:

利率の変化に対する債券価格の変化のパーセントでの変化を測定するものです。

リスクの管理

事前のプロセスで特定、測定を終えたリスクを管理するには、有効なリスク管理の方針と手続きを確立する必要があります。

リスクの監視

最後にリスクを定期的に監視するプロセスが実行される必要があります。