株式 - 香港カラフルFP

株式

株式とは、企業(株式会社)の資本を種類毎に均一に細分化した構成単位である持ち分のことを指し、一般的に株式会社が発行する出資証券のことも指します。株式を保有するということは、その企業にお金を出すこと(出資)であり、間接的にその企業の経営に参加することになります。

株式への投資

1.株式とは何か?

普通株式とは企業における持分を表したものです。これはおそらく最も広く知られている金融資産かと思います。債権者、優先株主に支払いがなされた後に支払いを受ける残余財産請求権となっています。また、投資家が公的な会社の長期的な成長に参加出来る機会もあります。会社清算にあたっては、普通株主は原則として、他の請求権者に対する支払いがなされた後の残余財産を受取れるのみとなっています。

香港にて上場されている証券を取引する際は、CCASS (Central Clearing And Settlement System)を通じて処理され、コンピュータにて清算・決済がなされます。取引は電子的に証券ブローカーのCCASS内の株式口座に記録され、株式証書を物理的に移動させる必要がありません。

株式購入にあたり、持分を証明する物理的な証票を投資家は求めることが出来ます。株券登録者において、その投資家の名義にて登録することが出来ます。もし、証票を紛失し、その代理の証票を取得するのは、時間と費用がかかるプロセスとなります。代わりに、投資家はその銀行や証券ブローカーに株式の保全保管を依頼することが出来ます。これは通常CCASSに株式を保管することとなります。この保管の目的においても、CCASSは銀行や証券ブローカーを証券の直接の保有者として認識します。

投資家もCCASSに投資家口座を開くことが出来、取引は銀行や証券ブローカーを通して行うことを求められますが、株式を保管することが出来ます。この方法では、投資家が直接に所有する株式を管理することが出来ます。

2.どうして株式で資金調達を行うのか?

企業は社債か株式で資金調達を行うことが出来ます。クーポン・レートで表される借入コストが固定される社債による資金調達に対し、株式による資金調達は取締役会で決定出来る配当金の支払いの金額でコストが決まるので、より柔軟であると言えます。よって、株式による資金調達は、社債によるそれよりもコストが掛からない、と考えられています。

会社清算の場合、株式保有者よりも社債保有者が先に支払いをうける優先権を社債保有者は有しています。したがって、株式による資金調達は、投資家のリスクを拡散する利点をも有しています。

証券取引所に上場する資金調達を行う場合、長期にわたっての資本市場へのアクセスが保証されます。まず初めにプライマリー・マーケットから資金を調達した後、将来の資金調達に際しては、また市場に戻ってくることが出来ます。社債による資金調達は信用伸縮により費用がかかるものとなる経済情勢が良くない時期に、特にこれが重要となります。例えば、最近の金融危機の間、香港の優良企業でも私募や新株発行によって、資金調達を行ったところが数社ありました。しかしながら、上場会社が更に市場から資金調達を行えるかは、株主がその権利を履行したいかどうかに掛かっているということは気に留めておかなくてはなりません。

株式による資金調達方法

株式市場における資金調達の方法には様々あります。

1.新規株式公開 IPO-Initial Public Offering

非上場企業が株式市場に上場する時、その企業が株式を一般向けに発行することを新規株式公開(IPO)と呼びます。

非上場会社が上場の可能性に関するアドバイスを投資銀行や証券会社から受けます。香港において、この役割はスポンサーと呼ばれる香港証券先物取引委員会に登録した金融機関が担います。スポンサーはその企業が上場に適しているかどうかという精査を行います。そして、香港証券取引所に申請そ必要となる書類を揃える支援を行います。

香港証券取引所により上場申請が許可された後、新株発行する企業は企業の詳細と新株の概要を記した目論見書を一般に提供する必要があります。それにはビジネスプラン、最新の財務諸表、設立趣意書、調達する資金の使用用途を含む必要があります。

新株発行する企業は、新株発行の広報・マーケティングを行う第一の責任を負う投資銀行・証券界社である主幹事を任命することが出来ます。通常は、新株の流通をアシストする引受人とシンジケートを形成します。新株に対する投資家の興味を引くために、主幹事会社は新規株式公開を広報するロードショーを行います。例えば、ファンドマネージャーや証券アナリストといった見込ある投資家はランチョンに招待され、新株発行会社の経営陣と会談することが出来ます。

引受人は通常は投資銀行や証券ブローカーで新株発行のリスクを担います。典型的な引受契約では、IPOにて一般の引受けが下回った場合、引受人は残った新株を引き受けなくてはなりません。

上場要件は香港証券取引所の上場ルールに基づきます。香港証券取引所にはメインボード(Main Board / 主板)とGEM (Growth Enterprise Market / 創業板)という2つの取引プラットホームがあり、二種類の上場ルールが適用されています。

メインボードでの上場には、次のうち1つを満たす必要があります。

  1. 利益基準
  2. 株式時価総額、収益、キャッシュフロー基準
  3. 株式時価総額、収益基準

例えば、利益基準では、ほぼ同じ経営陣の元での3年以上の実績が必要です。また、企業所有者の継続性や直近の財務年度での掌握もなされている必要があります。直近年度においては、株主に属する利益が2千万香港ドルを下回らず、直近2年においては累計で3千万香港ドルを下回っていてはなりません。

他にも予想時価総額といった一般的な要件が有ります。上場の際には、時価総額は2億香港ドルを下回らず、一般投資家が保有する株式の時価総額が全体で5千万香港ドルを下回らない必要があります。

GEM(Growth Enterprise Market / 創業板)はあらゆる産業とサイズの成長企業に資金調達の機会を提供するする為、1999年11月に設立されました。よって、一般的に、GEMでの上場基準はメインボードよりも緩和されたものとなっています。例えば、メインボードと異なり、利益基準はありません。しかしながら、新たに申請する企業は運転資本と税金支払い前の調整済営業利益からのキャッシュフローが上場書類作成の前2年において合計2千万香港ドル以上である必要があります。時価総額は1億香港ドルのみを必要とされています。

誤解なきように述べておくと、上記は上場基準の全てを網羅したものではなく、上場基準を全てお知りになりたい方は、個々の上場基準を参照下さい。

2.私募 Private Placements

特定の投資家に向けて、株式が発行されることを私募と呼びます。普通は投資信託ファンドといった機関投資家や富裕層だけが私募による株式引受をすることが出来ます。これは広く一般に公開される新規株式公開(IPO)と対照的なものとなっています。

3.新株引受権 Equiry Warrants

既に上場する企業は新株引受権を発行することで資金調達を行うことも出来ます。新株引受権とは、期日までに事前に決められた行使価格で株式を購入出来る権利を保有者に与えるものです。

4.株主割当発行 Rights Issue

株主割当も既に上場している企業が資金調達する一般的な方法です。既存株主に持分割合に応じた新株を引き受けする機会を提示し、資金調達を行います。英文のRight Issueという名前が示すように、株主割当は新株を引き受ける義務はなく、あくまでも権利となっています。株主には以下の3つの選択肢があります。(1)提供される新株を引き受ける(2)新株を引き受けたい他の投資家に権利を売却する(3)何もしない。先の2つでは株式持分が希釈されます。

希釈化の例を挙げてみます。ある投資家が企業Aの株式を1,000株保有しています。そして、企業Aが保有株4株に対し、新株1株を引き受けることが出来る株主割当発行を発表したとします。この投資家は新株250株を追加で引き受けることが出来ます。一般的に、引受価格は現行の市場価格より低く設定されます。例えば、市場株価が1香港ドルだったとすると、引受価格は0.75香港ドルになったりします。

上記例において、株主割当前の投資家の保有株の価値は1,000香港ドルです。(1,000株 x 1香港ドル)

そして株主割当の費用は、187.5香港ドルとなります。(250株 x 0.75香港ドル)

株主割当の後、1,250株を保有し、投資価値は1,187.5香港ドルとなります。

よって、株主割当後の株価は0.95香港ドル(1,187.5香港ドル ÷ 1,250株)となります。

そして、新株引受権の価値は、0.2香港ドルとなります。(0.95香港ドル – 0.75香港ドル)

株式投資を行うのは何故か?

会社組織を形成するその最大の利点は、株主の有限責任にあります。香港において、普通株式は払込みが完了しており、もう自由に出来ないものです。株主は初期の投資金額を全て失うかもしれませんが、それ以上の金額を失うことはありません。つまり、もし企業が負債の履行を出来なくなった際に、負債の返済の為に、株主が資金を拠出することを強制されない、ということです。しかしながら、その失敗により、当該企業の株式価値が僅かなものとなるかもしれません。言い換えれば、初期の投資額分の損失を被る、ということです。

どの種類の投資においても、全体のリターンは重要です。株主はリターンを得る方法が2種類あります。一つは買い入れた価格より高い価格で株式を売却すること、もう一つは企業から支払われる配当を受取ることです。しかしながら、株主は株価下落による損失を被るかもしれません。また、小規模企業の株式は流動性が十分でなく、売却が困難かもしれません。

業績が好調な企業は恐らく年々支払う配当を増やしていくでしょう。株価もおそらく上昇し、リターンとしては配当のインカム・ゲインと株価上昇によるキャピタル・ゲインの両方を含むこととなります。もし、企業の業績が不調であれば、その企業の株価は下落しうるでしょう。株式市場にて株価の急な変動が見られたりします。一般的に株式は金融市場資産や債券に比べて、よりリスクが大きいものととらえられています。

利益は企業の価値の源泉です。一般的に用いられている株式評価の方法は以下の通りです。

1.PER 株価収益率

企業の現在の株価を過去12ヶ月の1株当り利益で割ったものです。PERが低いと、会社が稼ぐ利益に対して株価が割安であると考えます。一般的に、将来の更なる成長が見込めるIT産業はPERが高く、さほど大きな成長が見込めない電力会社といったインフラ産業はPERが低い傾向があります。

2.ROE 株主資本利益率

企業の利益を企業の簿価で割ったものです。株主が投資したお金でどれだけ利益をあげたかを見ることができます。ROEが高い程、企業が効率よく資本を活用できたことを意味します。

3.配当利回り

現在の株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかをパーセントで示す数値です。

4.配当性向

利益の中から配当金で株主にどのくらい支払うかをパーセンテージで表したものです。

5.内部留保率

利益の中から配当金で株主に支払われず、将来の成長の為に、企業に留保された分をパーセンテージで表したものです。

無償新株割当

利益を積み重ねてきた成果として、企業が既存株主に新株を割り当てることがあります。株主割当発行と異なる点は、新株が無償で提供されるところです。

株主割当発行で用いた例を用いて、無償新株割当を見てみます。まず、無償新株割当前の株式の価値は1,000香港ドルで、保有する株式数は1,000株です。無償新株割当後は保有株式数は1,250株となりますが、無償で新株が割当てされた為、株式の価値は変わらず1,000香港ドルのままです。よって、無償新株割当後の株式の理論価格は8香港ドルとなります。(1,000香港ドル ÷ 1,250株)

配当

企業が獲得した利益の中から現金で株主に行われる支払いは配当と呼ばれます。香港において典型的には半年毎に取締役会により配当が宣言され、配当日と呼ばれる取締役会が決めた特定の期日に記載されている株主に支払われます。

企業経営者は企業の将来の収益予測を元に増額や減額する配当金額の変更をシグナルとして利用することがあります。各企業の業績や見通しに対して投資家が受ける印象に応じて、株価は変わっていきます。

配当を受け取る株主の名簿を整理することは思う程には簡単なことではありません。多くの企業では株式が絶え間なく売買されており、名簿は変更しつづけます。配当を受け取る株主は配当落日により確定されます。

普通株式の所有権移転の登録に必要な時間により、香港証券取引所は配当落ち日を確定日の2営業日前としています。配当落ち日前に株式を購入した投資家は配当を受取ることが出来ます。配当落ち日当日やそれ以後に購入しても配当を得ることは出来ません。同様の原則が株主割当発行や無償新株発行にも適用されます。

香港証券取引所

1.基本的な組織と機能

香港証券取引所は4つあった株式取引所を統合する為に1980年に設立され、1986年以後に本格的に稼働し始めました。しっかりとした業績を持つ企業のみがずっと香港証券取引所への上場を許されてきました。

これは1999年にGEM(創業板)が設立されるまでのことで、GEM(創業板)では新興企業が株式による資金調達を行えるように設立され、もともとの証券取引所はメインボード(主板)という名称になりました。

HKEx (Hong Kong Exchanges and Clearing Limited / 香港交易及結算所有限公司)が香港証券取引所とGEMを有し、HKEx自体も香港の上場企業の一つとなっています。香港において資金調達と証券取引を潤滑に促す為に効率的且つ透明性の高い規制の枠組みをも提供することを目的としています。

株式だけではなく異なる種類の証券も香港証券取引所に上場されています。

  • 株式、市場指数、外貨、株式の組合せを原資産とするデリバティブ・ワラント
  • 株式リンク型投資商品 (投資家は株式を原資産とするオプションを売ることとなります)
  • 指数を追随するように組成された証券のポートフォリオであるETF (上場投資信託)
  • HKMA(香港金融管理局)により発行されたExchange Fund Note(EFN)といった債券
  • パイロットプログラムで香港証券取引所に上場されるナスダック(NASDAQ)やアメリカン証券取引所(AMEX)上場の証券

2.主な特徴

香港の株式市場は世界の資本市場において主導的な役割を担っています。国際取引所連合(World Federation of Exchanges)の統計によると、2008年末時点で香港の株式市場は時価総額で世界第7位の大きさの市場となっています。アジアでは第3位であり、東京証券取引所、上海証券取引所に次ぐ規模となっています。しかしながら、ドル建てで取引される証券化デリバティブの金額ではリストの上位に位置しています。

2008年末で合計1,087社がメインボード(主板)、174社がGEM(創業板)に上場しています。これらの時価総額合計が102兆988億円香港ドルとなっています。

3.プライマリー・マーケット(1次流通市場)とセカンダリー・マーケット(2次流通市場)

債券市場と同様に、株式市場もプライマリー・マーケットとセカンダリー・マーケットに分けることが出来ます。

プライマリー・マーケットは企業が上場し、初めて新株が発行されることを指します。一般からの新しい資本が企業により調達されます。これは企業と投資家の間にて行われます。

一方、セカンダリー・マーケットは既に上場された企業の株式の売り手と買い手の間の取引を指します。セカンダリー・マーケットでの株式の価格や取引量に関係なく、株式発行企業に資金が調達されることはありません。

香港のセカンダリー・マーケットでの株式は投資家、株式取引所参加者とその他市場の参加者をつなぐAMS/3という自動注文マッチング執行システムで取引されます。香港証券取引所で取引される証券の注文は全てAMS/3を通してのみマッチング、執行することが出来ます。

世界の株式市場

投資が機敏に行われるようになり、他の主要な国際的な株式市場の動きが香港に大きな影響をグローバル化により、有するようになりました。

1.アメリカ市場

アメリカには多くの株式取引所が存在します。もっとも有名なものは、アメリカン証券取引所、ナスダックとニューヨーク証券取引所です。リンクされた為替レートや輸出入といった面でアメリカと香港との固い結びついていることにより、アメリカの株式市場に反映されるアメリカ経済は香港経済に大きな影響を持っています。アメリカと香港は異なる時間帯に属する為、香港市場はアメリカ市場が終わった後に開始します。その為、アメリカ市場での変動が、開始後の香港市場に大きく反映されることとなります。

2002年3月に市場開始前取引(9:30-10:00)が香港証券取引所に導入され、市場が開始する10時前にAMS/3にすべての市場参加者が出せるようになりました。これにより、市場が正式に開始直後の価格変動を避けるという利点を持っています。

2.ヨーロッパ市場

ヨーロッパに位置する27加盟国の経済・政治同盟が欧州連合(EU)を設立し、統一貨幣ユーロの利用はヨーロッパ市場の経済力を高めることとなりました。国際通貨基金(IMF)の統計によると、EUの国民総生産(GDP)は推計で2008において購買力平価で世界の22%超を占める金額となっています。

ヨーロッパで突出した株式市場はイギリスのロンドン証券取引所、ドイツのフランクフルト証券取引所とフランス・パリをベースとするユーロネクストの汎欧州証券取引所となっています。

3.アジア市場

国際取引所連合の統計によると、2008年末時点で、時価総額で東京証券取引所がアジアで最大の市場となっています。日経平均は東京証券取引所で取引される225銘柄で構成され、日本の株式市場を表すものとなっています。

アジアの他の主な市場はシンガポール、ソウル、クアラルンプールと台湾となっています。

4.中国市場

中華人民共和国では深圳(シンセン)と上海に2つの証券取引所を有し、中国証券監督管理委員会により取り締まられています。証券法が中国の証券取引を監督する法律として初めて1999年に施行されました。

上海証券取引所は1990年11月に設立され、続いて深圳証券取引所が1990年12月に開設されました。両市場ではA株とB株が取引されています。A株とは中国内の投資家が取引することが出来、中国元で決済されます。B株は中国外の外国人投資家にも開かれており、上海証券取引所では米ドル、深圳証券取引所では香港ドルで決済されます。

中国の株式市場は徐々に外国人投資家に開かれています。2003年にQFII (適格国外機関投資家) 制度が始まり、認可を受けた外国人投資家がA株を取引出来るようになりました。香港に上場するH株の数が増えるにつれ、中国が香港に持つ影響力はより大きく、重要なものとなっていくでしょう。

株式市場インデックス(指数)

市場指数は、特定の株式市場の価格水準の参照として、異なる証券取引所にて幅広く採用されています。同じ市場の指数を時系列で比較することで、その期間における株式市場のパフォーマンスを知ることが出来ます。よって、市場指数は株価の動きのバロメーターとして投資家により一般的に用いられています。また、投資ファンドが市場のパフォーマンスを上回ったか、下回ったかを評価するベンチマークとしても使われています。

1.ハンセン指数 (HSI)

ハンセン指数は1969年11月24日に立ち上げられ、香港株式市場のパフォーマンスを表す指数として広く利用されています。ハンセン指数はハンセン・インデックス・サービス社 (Hang Seng Indexes Comapny Limted) により算出されています。

2009年5月時点では、ハンセン指数には42銘柄が組み込まれて、以下の条件から選出されています。
・香港証券取引所に上場され売買できる株式の時価総額の上記90%を構成していること。(時価総額は過去12ヶ月平均)
・香港証券取引所に上場され売買できる株式の取引高の上記90%を構成していること。(取引高は過去24ヶ月平均全体と直近8期の四半期個々で評価)
・香港証券取引所に少なくとも24ヶ月は上場履歴があり、その他の要件を満たすこと。

ハンセン指数は始まって以来、時価総額加重平均で以下のように計算されています。

ハンセン指数 = (構成銘柄の当日の時価総額 ÷ 構成銘柄の前日の時価総額) x 前日のハンセン指数

現在、ハンセン指数は浮動株基準の時価総額加重平均型であり、また個々の株式の比重において15%の上限があります。浮動株基準は指数計算において、すぐに取引されない長期持ち合い株を排除するために採用されています。これにより、投資に必要な流動性を確保しています。15%の上限は一つの銘柄がハンセン指数に占めることを防ぐ為にあります。

2.ハンセン総合指数

ハンセン総合指数シリーズ(HSCIシリーズ)にあるハンセン総合指数は香港証券取引所の上場企業の上位200社を含んでいます。ハンセン総合指数シリーズは、地理別や産業別の指数に分けられており、香港証券取引所に上場する株式のパフォーマンスの総合的なベンチマークを提供することを目的としています。また、ハンセン総合指数は、ハンセン香港指数とハンセン・メインランド指数などのサブ・インデックスがあります。

3.世界の指数(インデックス)

国際的な市場のパフォーマンスを見る為に次の指数が幅広く用いられています。

・ダウ・ジョーンズ工業株価平均(Dow Jones Industrial Average / DJIA)

ダウ・ジョーンズ工業株価平均は1896年に始まって以来、アメリカ株式市場のパフォーマンスを記録しています。現在は30銘柄の株式で構成され、構成銘柄の株価合計を平均して算出されています。数年にわたる株式分割などの構成株式の構造的変更も考慮して調整されています。

・S&P500種株価指数 (Standard & Poor’s 500 Index / S&P500)

ダウ・ジョーンズ工業株価平均は長い歴史があり、受け入れられているにも関わらず、S&P500種株価指数はよりアメリカ株式市場のパフォーマンスをより反映していると一般的に考えられています。時価総額の大きい500社で幅広く構成されています。ハンセン指数と同様に、S&P500種株価指数も時価総額加重平均指数となっています。

・NASDAQ-100指数 (Nasdaq-100 Index)

ナスダック株式市場のパフォーマンスを見るのに最も一般的な指数がNASDAQ-100指数で、ナスダックで取引される株式の上位100銘柄で構成されます。

・FTSE100種総合株価指数 (The FTSE 100 Index)

フィナンシャル・タイムズ社とロンドン証券取引所グループの合弁会社であるFTSEが広く知られているFTSE100種総合株価指数を運営しており、ロンドン株式市場のパフォーマンスを見ることが出来ます。これも、時価総額加重平均指数となっています。

・日経225 (日経平均株価 / 日経平均)

東京証券取引所で取引される株式を表す最も有名な日本の市場指数が日経平均株価です。

・MSCI指数 (Morgan Stanley Capital International Indexes / MSCI Indexes)

MSCI指数は投資信託ファンド会社により、管理するファンドのパフォーマンスを評価するベンチマークとして幅広く用いられています。

投資分析:ファンダメンタル分析

ファンドマネージャーの投資判断は対象となる証券価値の分析をベースとしています。投資分析には、ファンダメンタル分析とテクニカル分析の2つの考え方があります。ファンダメンタル分析とは、経済的・政治的要素が証券価値の本質的価値を決めるという考えです。例えば、株式評価には企業の財務諸表やオペレーション、将来の見通しなどの調査を含みます。

1.トップダウン分析とボトムアップ分析

株式のファンダメンタル分析を行うにあたり、アナリストはトップダウン・アプローチか、ボトムアップ・アプローチを取ります。

トップダウン・アプローチではGDP、利率、インフレ率などといったマクロ経済的要因を国際的に、また国毎に見ることから始めます。アナリストはそれからそのマクロ経済状況下においてどの産業が良いパフォーマンスを行うかを特定していきます。産業分析は市場競争、参入障壁、市場取引高、技術発展などを考慮して行います。そして、その産業の中から範囲を狭めて、どの企業に投資するかを決めて行きます。

一方、ボトムダウン・アプローチは正反対のアプローチを取ります。ボトムダウン・アプローチではまず初めに特定企業の財務成績に焦点を当て、そして、産業、最後に経済と見て行きます。

2.産業分析と競争環境分析

発展する産業に属する企業はより発展するだろうという共通認識から、産業分析はファンダメンタル分析では重要となっています。問いに上がる究極の質問は、次の4つのライフサイクルのステージのどれに対象の産業が位置しているか、というものです。

1)スタートアップ期:売上げと利益は新商品が出るにつれ、急速な速度で上昇する。市場リーダーは存在せず、次のステージに産業が進む時に企業が取り残されるリスクがある。

2)統合期:製品がより確立されたものとなるにつれ、マーケットリーダーが存在し始める。その産業に属する企業はもっと安定的となり、産業自体は残りの経済よりもより速いスピードで成長する。

3)成熟期:産業の更なる発展は、経済成長に伴ったものとなる。製品は標準化し、競争は価格をベースとしたものとなり、利益幅を圧縮する。

4)衰退期:製品の陳腐化と新商品との競合により、経済全体にくらべ、ゆっくりとした産業の成長となる。

産業分析にかんする他の関連する事項としては、競争構造(独占、寡占または独占的競争)、産業に対する経済の変動要素の影響(利率、為替レート)、政策(産業にとって有利か不利か)などがあります。

3.企業の比率分析

比率分析は企業の財務状態を前年分や産業平均と比較して確かめる為に用いられます。比率分析に用いる元データは貸借対照表や損益計算書といった企業の過去の財務諸表を利用します。つまり、比率分析は将来を見据えた展望ではなく、過去の実績を反映しただけのものとなっています。

以下に広く用いられている比率を見ていきます:

ⅰ.流動性分析

企業が短期債務を支払うことが出来る能力を測ります。
・流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債
・当座比率 = (流動資産 ー 在庫) ÷ 流動負債

ⅱ.収益性分析

企業の収益性と経営者のパフォーマンスに焦点を当てます。
・株主資本利益率(ROE) = 税引後利益 ÷ 株主資本
・一株当り利益 = 税引後利益 ÷ 発行済株式数
・株価収益率(PER) = 一株当り株価 ÷ 一株当り利益

ⅲ.支払能力比率

企業が長期負債の支払能力を見ます。
・負債比率 = 総負債 ÷ 総資産
・ギアリング比率 = 総負債 ÷ 株主資本

4.株式の価値評価

比率分析では企業の過去の業績に焦点を合わせていますが、投資家は企業の将来の株価をより気にかけています。ファンダメンタル分析で企業の本質的価値を見い出すのに用いる評価方法はいくつかあります。もっとも一般的な評価方法から3つを見ていきます。

ⅰ.配当割引モデル (Dividend Discount Model / DDM)

配当割引モデルは将来キャッシュフロー全ての現在価値をベーストする債券の価格付けと同じ原理で行います。株式の場合、将来のキャッシュフローとは、将来支払われる配当であり、株式投資に満期日はありませんので、元本の返済はありません。配当割引モデルでは全ての将来期待キャッシュフローを要求利回りで割引いた現在価値が株価と等しくなります。

P = D1÷(1+r)^1 + D2÷(1+r)^2 + D3÷(1+r)^3 + … + Dn÷(1+r)^n
 ※ P:株価 / D:一株当り年間配当の期待値 / r:株式に対する要求利回り

また、配当割引モデルには異なるバリエーションもあります。定率成長配当割引モデルでは配当が定率で増加すると仮定します。配当割引モデルは以下のように簡略化できます。

P = D ÷ (r-g)
 ※ P:株価 / D:一株当り年間配当の次年の期待値 / r:株式に対する要求利回り / g:配当成長率

ゼロ成長配当割引モデルでは同じ額の配当が永遠に支払われると想定します。そして、配当割引モデルの数式は以下のようになり、更に簡略されます。

P = D ÷ r

ⅱ.株価収益モデル (Price Earnings Model / P/E model)

株価収益モデルは同じ産業に属する企業の株価収益率を比較し、個々の企業の相対的価値を確かめます。

同じ業界の他企業に比べて高い株価収益率を有する企業は、市場がより収益成長すると見込んでいることを反映しています。一方、それは企業が過剰評価されているという兆候でもあります。

株価収益モデルは簡単に使えるものの、落とし穴もあります。過去の会計データを元にした比率である、ということです。現在の収益は将来の収益からは大きく離れているかもしれません。株価収益率はインフレ率によっても、また歪められます。結果として、対象の企業と業界の全般的な動きを見ること無く、株価収益率が高いとか低いとか言うことが出来ないのです。

ⅲ.資本資産評価モデル (Capital Asset Pricing Model / CAPM)

資本資産評価モデルは高度に複雑なモデルです。簡単にすると、株式の期待リターンとベータで測る株式のリスクを結びつけて考えます。ベータは市場全体におけるリターン1%の変化に対するリターンの変化を測るものです。ベータが高い程、株式のリターンが市場に対して敏感であり、よりリスクのある投資であるということです。資本資産評価モデルはよく知られている投資におけるリスクとリターンのトレードオフの理論的説明の基礎となっています。

投資分析:テクニカル分析

(a)過去のデータ

テクニカル分析では過去の市場データを研究して、将来の株式価格を予測します。企業の財務状態や企業の於かれている経済環境といったものを無視します。テクニカル分析はデイトレーダーにより広く用いられています。過去の市場価格をチャートに並べ、その形状パターンにより、将来のトレンドと反転する点を予測します。

(b)チャートとトレンドライン

様々に異なるチャートが市場参加者により使われています。もっとも広く一般的な図表は棒グラフです。棒グラフは垂直の線を描き、定められた期間における最高価格と最低価格を結びます。そして、左側の短い水平線を開始値を示し、右側の短い水平線が終値を示します。

ポイントアンドフィギュア・チャート

ポイントアンドフィギュア・チャートは通常デイトレーディングに使われています。マル印とバツ印を方眼紙に書き、価格の動きを表します。バツ印は価格上昇を表し、マル印は価格下落を示します。

ロウソク足チャート

もう一つの人気のチャート・テクニックは日本のロウソク足チャートです。これは17世紀の米商人により発明されたものです。棒グラフに似ており、太いグラフ部分が始値と終値の幅を表します。もし、マーケットの始値が終値よりも高ければ、棒グラフを黒く色づけされます。始値が終値よりも低い時は棒グラフを白く表示します。

これらのチャートにより、テクニカル分析ではトレンドラインとパターンを描き出そうとし、マーケット価格のサポート・レベルと抵抗レベルを探し出そうとします。

(c)テクニカル指標

チャートの他にテクニカル分析では移動平均やRSI(相対力指数)といった特定のテクニカル指標を使って、市場のトレンドを読みとります。

移動平均 Moving average

移動平均は特定期間の終値の平均を計算し、10日、20日、250日移動平均といった計算を行います。

簡単な投資戦術としては移動平均値を超えたところで株式を購入し、移動平均値を下回ったところで売却します。

他の一般的な戦術はクロスオーバートレードと呼ばれ、短期移動平均と長期移動平均の重なりに注目します。例えば、10日移動平均が20日移動平均と交わり、上に抜けると、買いシグナルで、逆に下に抜けると売りのシグナルとなります。

RSI 相対力指数 Relative Strength Indicator

RSIは特定期間において終値が上昇した日と下落した日の価格の関連性を描きます。もっとも広く用いられているのは14日RSIです。RSIには0%から100%までの値を取り、アナリストは通常30%と70%をしきい値として使います。もし、RSIが30%を下回れば、マーケットは売られ過ぎと言われ、逆に70%を上回ると買われ過ぎのシグナルを示します。

(d)一般的なテクニカル分析手法

他にも投資家が投資判断を行うのをアシストするテクニカル分析の手法があります。

波動原理 Wave theory

波動原理はマーケットのサイクルがブル(上昇)局面とベア(下降)局面2つの局面で構成されていると想定します。金融市場の価格は5つの上昇波と3つの下降により展開し、一連のサイクルを形作ります。

フィボナッチ数列とゴールデンレシオもまたマーケットの反転点と目標水準を予測する一般的な手法です。

株式の長所

株式投資の長所は以下の通りです。

  • 配当収入がある
  • キャピタルゲインによる収入がある
  • 企業の部分所有が出来る
  • 限定された責任
  • 流動性
  • 債券よりも高い利回り
  • インフレに対する良いヘッジ方法

株式の短所

株式投資の短所にはこのような点があげられます。

  • 企業業績の変動を受ける
  • 短期における高い価格変動性
  • マーケットリスクを負う
  • 企業リスクを負う
  • 経済リスクを負う