莎莎(SaSa ササ)は寵愛を失ったのか? - 香港カラフルFP

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莎莎(SaSa ササ)は寵愛を失ったのか?

一般小売業銘柄株式の中で、化粧品小売業の莎莎(0178 SaSa ササ)は多くのアナリストやファンドマネージャーの寵愛を受けて来た銘柄だ。莎莎の株価は年初から今までで39%下落し、年初から小売業のマーケットが弱ってきていることを反映している。香港政府が中国からの個人旅行である自由行の人数削減を検討するニュースが流れ、香港の小売業は霜が降り冷えた上に更に雪が降って来たようなものであろう。ここでは、香港の化粧品産業の構造的な問題について見ていきたいと思う。

莎莎の今年の株価収益率(PER)はおおよそ16.4倍であり、これまでの平均では17.8倍であった。注意したいのは、2013年の株価収益率が平均以上であり、昨年9月に株価収益率が一度最高値である26倍にも上昇したということである。

中国個人旅行客の流入源が変化

香港旅遊発展局のデータが示すところでは、香港に1日以上滞在する中国からの旅行客の内、1級都市から来ている比率を見ると、2008年が53%超、そして下降していき、2012年に45%となった。今年はより低くなると推測されている。その他の外国へ旅行・買い物をする1級都市の旅客がどんどん多くなって来ていることを反映している。莎莎の過去数四半期の財務データを見ると、前2年の二桁成長が大幅に減速していることが明らかで、これは2級、3級都市から来る中国旅行者の消費力がより低いことと合致する。この他、香港における賃料が持続して上昇し、莎莎の費用構造に一定のプレッシャーを与えている。

ネットショップが既存の店舗に打撃

アパレル業と同様に、莎莎は最大の課題に直面している。それは、中国国内のネットショップがもたらした競争である。2010年の小売化粧品マーケットでは、1.3%がネットで取引が完了していたが、この数字が2013年には10.3%にまで上昇した。しかし、ササは今年上半期にネット販売のプラットホームであるsasa.comからの収入が、総収入の僅か4.8%だけであり、昨年同期の5.4%よりもまだ低かった。莎莎は伝統的な小売業であり、ネット上での販売を開拓し、成功するのは容易くない。物流と配送の両方面を見ても、既に大きな壁である。

莎莎の顧客はネット上で買い物をした後、商品が香港から中国国内に配送されるのを待たなければいけない。一方、中国の第2のネット販売業である京東(JD.COM)は、中国国内36都市に倉庫を有し、43都市の顧客に当日配送、256の都市では取引翌日に配送するというサービスを提供することが出来る。この両社の差は明らかに大きい。

莎莎のトップは香港の優れた企業家の一人であると思うが、消費者の構造変化に面し、今後、既存の店舗販売と、新たなネット販売という事業を融合できるかどうかは、疑問と言えよう。その為、莎莎の今後の見通しについては、様子見としておきたい。この他に、莎莎の中国事業がいつ収支バランス取れるようになるかに注意しておきたい。

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