2度の預金準備率引下げ 農業関連株はこの機会を逃すな - 香港カラフルFP

Home »  マーケット・ニュース »  2度の預金準備率引下げ 農業関連株はこの機会を逃すな

2度の預金準備率引下げ 農業関連株はこの機会を逃すな

中国国内では景気をじわじわと刺激する措置を次々と打ち出している。最近は農業セクターに向けて、2度の預金準備率の引下げがなされ、農業機械、化学肥料と農業関連の国内銀行といった農業関連株はそれに反応し、一度好調となった。しかし、ファンダメンタル要因が改善されなければ、短期的な上昇となり、あまり過度の期待をすることは出来ない。

今月中頃に中国人民銀行は堅実な経営基準を満たしており、且つ、「三農」と呼ばれる農村、農業、農民と小規模企業を対象にした融資が一定比率以上有る商業銀行に対して、預金準備率の0.5%引下げを行った。この引下げの対象には、都市商業銀行の3分の2、農村部の銀行の8割、9割に適用され、この中には4月に預金準備率を引き下げられた金融機関は含まれていない。4月と6月の2度にわたる金融緩和で中国人民銀行は3000億人民元に達する規模の資金を市場に放出したことになる。

マーケットでは、これは更に進んだ金融緩和政策の前兆であり、中国人民銀行は今後数週間で、特定業界への融資を更に緩和することを含む新たな量的緩和政策や新しい融資手段を打ち出してくるかもしれない、と見ている。

第一拖拉(第一トラクター )が激しく上昇

準備率引下げの刺激を受け、農業セクター関連の株が明らかな勢いを見せた。農業機械銘柄の中で、早々にすごい上昇を見せた第一拖拉(0038)は主に農業機械や動力機械等の生産・販売を行っており、香港で上場する唯一の農業機械を製造・販売する中国国内企業である。主要製品は「東方紅」シリーズのトラクターやディーゼル機など100を超える種類があり、50を超える国と地域に販売している。

今年の第1四半期は第一拖拉は収入が0.1%低下の31.04億人民元、純利益は8.1%減の9907万人民元となり、3月末時点で現金11.74億人民元を保有している。2013年の純利益は31.7%減の2.22億人民元だった。

化学肥料株はファンダメンタルに精彩欠く

季節銘柄であり、毎年1月から6月、11月と12月が化学肥料銘柄株式の需要ピークであるのが通常だが、業界全体の過剰生産能力が深刻となっており、関連銘柄の業績と株価には悪影響を与えている。国際肥料工業協会の予測では、今後3年間、過剰生産能力が深刻であり、その中でも窒素肥料市場における供給が需要を超過している矛盾がひどくなる一方で、尿素(窒素肥料)生産能力の年成長率が4.5%にもなっているにも関わらず、需要の伸びは3.5%を超えていない。その為、世界的に見た窒素肥料市場は持続して不調が続くだろう。

預金準備率引き下げにより、上昇した化学肥料銘柄であるが、そのファンダメンタルはあまり良くなく、業績が僅かに良いのは唯一、中海石油化学(3983 (チャイナブルーケミカル)だけである。この企業は窒素肥料とメタノールの生産量が最大の上場企業であり、昨年の通期収入はわずか0.1%減の107.24億人民元、純利益は9%減の16.47億人民元で、粗利率は30%に達している。中化化肥 (0297 サイノファート)は昨年赤字転落し、4.76億人民元の赤字となった。その主な要因は製品価格の下落と物流費用の増加であり、主要な収入源は購買と流通にあり、粗利率は僅か3.7%であった。

石炭ベースの尿素と複合肥料を生産する中国心連心化肥 (1866)は、第1四半期減収で4821万人民元の収入となった。経営陣によると、尿素を生産する第4工場が年内に生産開始する見込みであり、生産能力は125万トンから210万トンに向上する。ウイグル地区では第5工場が来年試験生産を始める予定となっている。

浩倫農業科技 (1073 チャイナアグロテク)は肥料売買の他に、種苗の栽培と販売等も手がけており、昨年は13%増収の1.5億人民元の売上で、一株当り利益は15.76セントであった。但し、今年の中期利益は大きく93.5%減の1051万人民元となり、粗利率は4.9%に落ち込んだ。

農業セクターへの貸出が多い農業銀行が優勢

人民銀行の預金準備率引下げにより、農業と関係が密接にある中国国内の銀行株式が刺激を受けた。中でも、重慶農村商業銀行(3618)が4月25日以来、4%近く上昇しており、中国農業銀行(1288)は通期で10%を超える上昇をしている。中国人民銀行はこの3月末から現在までで既に1.1兆人民元を超える資金を市場に注入しており、中国国内銀行は短期的にこの政策が追い風となると考えるが、中期的には楽観視することは出来ない。

中国農業銀行、招商銀行、中国工商銀行がお勧め銘柄か

中国農業銀行、中国民生銀行(1988)、重慶農村商業銀行と重慶銀行(1963)が同業他行に比べて多くの恩恵を受けると見ている。その理由は、小規模企業や農業セクターに対する貸付比率が比較的大きいことが上げられる。そして、業界からお勧め銘柄を選ぶとすると、中国農業銀行、招商銀行(3968)と中国工商銀行(1398)になる。この中でも中国農業銀行は買いと見ており、目標価格は4.4香港ドル。その理由は、中国農業銀行は農村地区において強い支店網を有しており、利息差により安定的であり、貸出コストも比較的低いことが上げられる。

多く有る中国国内の中小銀行の中で、マーケットは招商銀行を評価している。ファンダメンタル面が手堅く、2013年は14%増益であり、市場予想を上回った。

しかし、中国国内経済の成長が緩やかになって来ている状況のもと、市場が中国国内銀行に信頼をずっと寄せるには不十分であり、全体的な評価が長期的に低いことから、現在の株価収益率(PER)が3.5倍から6倍の間となっている。2度に渡る預金準備率引下げにより、資金流動性が改善されたとしても、中小企業の銀行融資コストは依然と高く、中国国内の投資信託といったシャドーバンキング事業に対する管理監督も最近立て続けに厳しくなってきており、預金準備率引下げによる効果も薄まると見られている。

香港カラフルFP
さあ、自分年金をはじめよう!
今日から始める海外投資講座