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不調を表すデータに株式市場上昇が示すところは?

中国の7月度の新規貸出が3852億となり、前年比で3145億元減少し、市場が予想していた7500億元よりも大きく下回った。マネーサプライM2の伸びは13.5%で、これも予想よりも低いものだった。不良債権による圧力がある中で、銀行は中小企業と不動産関連の貸出のリスクはあきらかに下降している。この他、不動産価格が反転するという前提のもと、不動産業者自身の貸付要求も明らかに下降している。

貸出ローンの伸びが予想よりも低い原因に関して、市場では2通りの解釈を行っている。一つは中国人民銀行が流動性を収縮したこと、もう一つは、経済が弱まり、需要が低くなったことである。もし、最初の説明が正しいとすると、株式市場が継続して上場するロジックが成り立たない。中国人民銀行が金融緩和を行うかどうかは、株式市場に行方を決める重要な要素である。もし、上海銀行間レート(SHIBOR)から中国人民銀行が流動性コントロールの意向を見てみると、最近7日間のSHIBORはまだ3%前後であり、中国人民銀行の金融緩和がまだ一定の効果があることを示している。

新規貸出の平均額は実は合理的

2つめの解釈については、中国人民銀行の4大銀行に対する指導は多く貸出を行うように、というものになっている。各銀行の第3四半期の限度額によると、7月度に既に利用された限度額を除いて推算すると、8月度の限度額は前年比で20%を超える伸びとなっており、9000億元前後となっている。その利用具合は7月に比べて大差がない筈であるが、8月は貸出限度額を使い切られないという状況が発生するかもしれないと推測される。

昨日に中国の7月度の経済データが公表された後、株式市場は利益確定し下落したが、午後になって、恒生ハンセン指数と恒生中国企業指数(HSCEI)はともに上昇した。実際のデータがアナリストの予測と大きくかけ離れていたが、市場では7月のデータは中国人民銀行の金融緩和の触媒であると見ており、市場の反応は珍しく積極的なものとなっている。中国人民銀行は珍しく長文で7月の貸付データが予想よりも低い原因を解釈しており、そこでは今年6月の新規貸付が大幅に1.08億元まで伸び、7月は季節サイクルによる下落が出て来ており、合理的な動きとなっているとしている。もし、6月と7月の新規貸付を併せて見れば、月平均の新規貸付はまだ7000億元あまりあり、合理的な水準だと言える。

国有企業改革と上海・香港証券取引所の相互乗り入れである「滬港通」は今年下半期の主要な起爆剤になると見られ、新規貸付が予想よりも低く、中国の7月度の小売と工業生産指数の伸びも予想よりも低かった。これらのデータの組合せで市場下落とならず、市場は反発した。これは重要なサインであり、マーケットのムードが良好である、ということを示している。

今が上昇相場の始まりかどうかを今結論づけるのは難しい。上海・香港証券取引所の相互乗り入れ「滬港通」が10月に開始となった後にどうなるかは未知であり、現在、関連株が取り上げられ取引が過熱しているが、その評価の大部分は既に安くはなくなっており、「滬港通」開始後に本当にメリットを享受出来るのかどうかを様子見しておきたい。この他、国有企業改革の成果は短期では現れることは無理なので、現在はニュースだけにより、これらの関連株が取引されており、投資家の熱がいつまで持続するのか、という点が焦点となると思われる。

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