香港株式市場の出遅れ株を宝探し - 香港カラフルFP

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香港株式市場の出遅れ株を宝探し

香港株式市場は先週金曜日に25000ポイントの大台に乗り、2008年5月以来の最高値となった。その高値更新に貢献したのは、香港証券取引所(0388)、中国移動チャイナモバイル(0941)や中国国内銀行などのブルーチップとなっている。継続した資金の流入が、恒生ハンセン指数の上昇を突き動かしている。しかし、更なる上昇を目指すには、まだ出遅れている銘柄が続いて上がって来れるのかどうかを見なくてはいけない。大型銘柄であるHSBC(0005)は中長期的には上海と香港証券取引所の相互乗入れである「滬港通」の恩恵を受けるが、ハンセン指数における比率が減るにつれ、短期的には抵抗があると思われる。経済周期の影響を受けない内需関連銘柄が上昇の機会を得ており、他にこの頃下落した多くのマカオカジノ銘柄も反発の見込みがある。

中国・香港株式市場は近年海外市場に出遅れていたが、今年はその雪辱を晴らす機会があり、恒生ハンセン指数が年初から現時点で6%を超える上昇を見せ、欧米市場の伸びを上回った。また、先週金曜日に25000ポイントの大台に乗り、2008年5月下旬以来の最高値となった。終値は大台を守れず、24954ポイントとなり、2010年11月につけた重要抵抗ポイントである24989ポイントにより引き続き阻まれたようだ。

資金流入は「滬港通」の開始待ち

7月以来、香港に流入した資金は750億香港ドルを超え、香港金融管理局(HKMA)総裁である陳徳霖(ノーマン・チャン)氏は先週に資金が2段階で流入していることを示した。1段階目は7月上中旬で、主に企業の配当や吸収合併といった実需によるものだった。2段階目は7月下旬で300億香港ドル超にも及び、中国や新興市場のファンダメンタル面の改善によるもので、ファンドが関連市場の見通しを良く評価し、資産配分を変更、中国・香港株式の持分を増やした。また、ノーマン・チャン氏は「滬港通」が資金流入の引き金になっている可能性を初めて認めた。

国際投資家であれ、個人投資家であれ、以前は中国経済に対して、あまり良い見通しはしていなかった。高い成長維持が出来ないだろうと思われ、理財商品のデフォルトを心配されていたからだ。現時点で、理財商品で大きな破綻は見られず、経済データも好転しており、リスクプレミアムが狭まり、マーケット上昇を刺激している。

中国国内銀行は安売りで人気を集める

最近、ヨーロッパからの資金流出の痕跡が見られるが、ロシアや中東には地政学的リスクが存在し、インド株式も一定の上昇を見せたため、多くの資金が中国・香港株式市場に流入していると思われ、この動きは継続すると考えられる。中国経済自体は悪過ぎることはないため、資金が最近中国資本株式に引き寄せられているのは、上海と香港証券取引所の相互乗入れ「滬港通」だけが理由ではなく、全体的な環境改善が見られることから、大型の中国国内銀行銘柄も評価され、個別の中国国内銀行では配当利回りが7%近くとなり、株価純資産倍率(PBR)が1倍に満たないなどから、十分に資金を引きつけていると見られる。

この他、中国国内の多くの都市では不動産取引に関する政策緩和が見られるため、比較的販売状況の良い1級・2級都市における不動産価格に注意しておくと良いであろう。最近の香港株式市場の上昇には、ネット銘柄、中国国内銀行銘柄、通信銘柄が大きく貢献している。上海と香港証券取引所の相互乗入れ「滬港通」による直接的な恩恵を受ける香港証券取引所(0388)は15%以上も大きく上昇した。中国移動チャイナモバイルは先週金曜日の業績発表後に5.7%も上昇し、終値が93.4香港ドルで、ここ6年来の最高値を付けた。

香港へのホットマネー流入が続き、マーケットも大台を突破、出遅れ株も後追い上昇が期待される中、投資家としてはこの機会に是非とも乗り遅れたくないものである。しかし、テクニカル分析では25000ポイントにある大きな抵抗線は、2008年から形成している上昇三角形の頂点となり、2010年11月の高値に近づいている。

中国国内投資家に人気のHSBC(0005)

出遅れている株式銘柄を選ぶにあたり、「滬港通」の恩恵を受けれるブルーチップから選択するのも良く、HSBC(0005)は必ず選んでおきたい銘柄である。株価が大きく下落した後であり、株価水準も充分魅力的で、配当利回りは5%近くある。A株投資家を対象に最近行われた調査では、買い入れたい三大銘柄の一つにHSBCが選ばれていた。ただ、残念なことに、先週金曜日に恒生ハンセン指数に含まれる銘柄は、一銘柄がハンセン指数全体に占める比率が多くとも10%までとする調整が行われ、この調整により、短期的には圧力を受けると思われる。

この他、香港で上場する国際金融銘柄であるAIA(1299)やチャータード・スタンダード(2888)も留意するに値すると考える。中国国内の個人投資家は「滬港通」を通して、香港株式を取引できるようになり、個人投資のリスクを分散する為に、大型多国籍企業株式に押し寄せると推測される。

しかし、出遅れ銘柄を探し出すのは簡単ではなく、例えば、HSBCがこの頃公表した業績は平々凡々としたもので、サプライズは無く、短期反発後にはもう利益確定売りが見られた。HSBCやスタンダード・チャータードといった株価が出遅れている国際銀行銘柄は、利益成長の余地が限られており、低金利環境がしばらく続くことから、利息差による収入上昇も難しく、あまり魅力的とは言えないだろう。

相対的に出遅れ銘柄である資源銘柄では、非鉄金属は生産過剰で不調であったが、中国中央政府による企業改革により、民間資本を引き入れ、経営効率の向上が期待されている。同時に資源価格は上半期に改善が見られ、川上資源企業の利益はこれにリンクしており、株価が反発する助けとなろう。しかし、中国アルミ(2600)のように既に大きく上昇しており、調整を待って、ポートフォリオに加えるのが良いと考える。

非鉄金属の水準を見ると、既に上げ相場の頂点にあると思われ、アルミニウムの供給バランスが崩れると、中国アルミの株価を押し上げると思われる。しかし、チャートではダブルトップから下落しており、現在の水準で買い入れることはお勧めできない。

旺旺と蒙牛が動き出す高い可能性

内需関連銘柄はファンダメンタル面からのサポートを受け、また、株価もマーケットよりも出遅れており、後を追いかける可能性が高いと思われ、マーケットにおける見方とも一致している。内需関連銘柄からは、中国旺旺(0151)、康師傅(0322 カンシーフ)と蒙牛乳業(2319)に注目したい。クレディスイスが先日公表したレポートで「滬港通」の恩恵を受ける17企業を挙げており、その中に中国旺旺(0151)、康師傅(0322 カンシーフ)と蒙牛乳業(2319)が含まれ、目標株価を12.4香港ドル、22.8香港ドル、46.5香港ドルとしている。

最近では、構造改革に関連する銘柄の取引が過熱し、小売事業も行うレッドチップである華潤創業(0291 チャイナリソーシズ)も既に株価が上昇してしまっている。旺旺であれば、テクニカル的に11.1香港ドルを超えれば、更なる伸びが期待できる。旺旺は内需関連株という他に、ブルーチップであることもあり、見通しが良いと言える。恒生ハンセン指数は既に大きく上昇したが、旺旺の株価はまだ横ばいであり、後を追って、上昇する可能性が高いと言える。旺旺の製品と業績は同業他社と比べても良く、米菓の他にも飲料製品が中国国内の幼年層に広く受け入れられており、株価に調整があり、11香港ドル以下になれば、買い入れても良いかと思われる。

しかし、全ての中国内需関連銘柄が良いというわけではない。中国国内では反腐敗運動の影響を受け、ハイエンド消費品市場に対してはマーケットでは警戒心をもっており、関連銘柄が短期的に業績が改善することは難しいと思われる。相反して、中国国内の収入がおしなべて上昇するに従って、大衆消費品の見通しは良く、その中でも乳業銘柄である蒙牛は真っ当な選択肢となる。事業は経済サイクルの影響を受けず、株価がマーケット全体の上昇を後追いする可能性がある。アパレル方面では、安踏(2020)に注意をしたい。業績に改善が見られ、中国の消費者に合わせたブランドポジショニングを行っている。しかし、既に一定の上昇をしており、利益確定後の下落後に買い入れることとしたい。

マカオカジノ銘柄を見ると、ファンダメンタル面が既に悪化しており、手を出す理由がない。しかし、業界トップである銀河娯楽(0027 ギャラクシー)は55香港ドルにまで落ち込んでおり、反転を期待して、少額であれば買い入れても良いかもしれない。金沙中国(1928 サンズチャイナ)に至っては、現在の株価水準は高過ぎと言え、買い入れるには値しないと思える。

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