強い米ドルの時代が再来 ゴールド、株式、為替に大きな影響 - 香港カラフルFP

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強い米ドルの時代が再来 ゴールド、株式、為替に大きな影響

アメリカで来年には利上げを行うことが濃厚になり、先頃米ドルが強くなってきている。ゴールド価格や外国為替に影響を与えるだけではなく、香港株式の短期的な上昇力にも制限となっている。また、利上げは経済の安定的な復活を反映したものであり、輸出業、輸送業や金融業にとって有利なものである。一方、利率には敏感なREITs(リート 上場不動産投資信託)には上昇の余地には限度があり、これからはあまり良くない選択肢となろう。利上げが予測される元では、強い米ドルの時代が再び到来し、ユーロや日本円といったその他通貨を軽率に買い入れ、反発を期待するのはお勧めできない。金の価格も再度大きく上昇することは難しく、狭い範囲で上下すると予想される。

米連邦準備理事会(FRB)イエレン議長は世界中の中央銀行総裁が集まる先日行われたジャクソンホール経済シンポジウムにて発言し、彼女の発言は半分タカ派、半分ハト派なものとして市場では受付けられた。どうしてこのような二通りの印象を与えたのでしょうか?それは、アメリカの失業率が大幅に落ち込んだが、その中にある問題は少なくない、とイエレンが協調していることにある。正社員での仕事を探してもパートの仕事にしか就けない人数が多く、また、転職率や採用率などが低い等、労働市場はまだ完全には回復しておらず、利上げはまだ先のことであると示している。また、一方で、もし労働市場の改善が引き続き予想よりも速ければ、利上げは早めに行うかもしれないと同時に強調していることにある。

輸送業銘柄は現在の価格で買入れ、値上がりを待つ

しかし、アメリカ経済が更に改善するとマーケットでは予想しており、来年は利上げも予想される。投資の観点から見ると、輸出、輸送及び金融銘柄が恩恵を受けると見られる。アメリカ経済が回復し、輸送業、資源産業に有利となり、実際に、東方海外(0316 OOIL)といった輸送銘柄の個別株式で既に取引が過熱して来ているものもあり、今から輸送業銘柄株式を買入れ始め、来年を待たずに利益確定できるだろう。

米連邦準備理事会(FRB)が利上げを早めると言うのは現段階ではマーケットの推測なだけであり、株式市場にとっては短期的な影響があるだけである。マーケットの予想では来年になってようやく利上げが実施されるというものであり、来年始めになって、更に多くのデータが発表されると思われる。利上げが行われることが見えており、輸送業銘柄や金融銘柄株式は更に良い値動きをすると思われる。最近になって、利上げの予想が高まってきても、金融銘柄の反応は大きくなく、むしろ、投資家の注目はまだ中国の対外貿易データにあると見られる。

最近公表された中国国内の輸出データは強いものであり、海外経済の改善を反映し、輸送業が直接的な利益を得ている。中国の7月度製造業購買担当者指数は51.7で、27ヶ月来の高値をなった。その中でも、新規輸出オーダー指数は50.8まで上昇し、2ヶ月連続で増加水準を保持している。

創科敏華はアメリカ復活の恩恵を享受

この他、中国の税関総署が7月度の対外貿易データを公表し、期間内の輸出金額は14.5%と大幅に増加し、2129億米ドルとなり、予測を超えたものであった。輸送運賃の動きを反映するバルティック・ドライ指数は、先月中旬の723ポイントというこの1年でも低い水準から、1000ポイントを越える反発を見せた。これが輸送銘柄にとってサポート材料となり、東方海外(0316 OOIL)や中海発展(1138 チャイナシッピング)のここ1ヶ月は19%、15%を超える上昇を見せた。

輸出工業銘柄では、アメリカ住宅市場の回復の恩恵を受ける創科実業(0669)、アメリカを主要輸出先とするソファ製造業の敏華(1999)が取り上げられる。証券会社ではおしなべて創科実業の見通しが良いと見ている。また、HSBCのレポートでは手動工具にまで業務を展開し、利益率改善の助けになると考えられ、財務状況も改善、吸収合併も潜在力の一つであり、目標株価を25.6香港ドルから28.3香港ドルに上方修正している。

創科実業は2013年は1年近く上値を抜けられず、今年3月になってようやく上昇を見せた。最近は株価を固めており、もし、アメリカ住宅市場が更に回復すれば、更なる上昇が望める。創科実業の株価は最近23香港ドルから26香港ドルを上下しており、約23香港ドルに落ちてくれば、買い入れても良いと考える。創科実業や敏華といった輸出工業株は中国の輸出よりもアメリカ住宅市場と関係が大きく、その中でも敏華の動きは相対的に落ち込んでいるが、それは入居後にようやく家具を買う為であり、アメリカ住宅市場が天井にあるかどうかに留意する必要がある。

不動産株やリートは急いで減らす必要はない

利率に敏感な不動産銘柄株式やリート(上場不動産信託)は利益予測の影響を受け、変動が大きくなると予想される。しかし、半年以上経っての利上げとなる為、今直ぐに持分を減らす必要はないと考える。

香港の投資家が慣れ親しんでいるリートである領匯(0823 リンク・リート)は恒生指数(ハンセン指数)の構成銘柄となる機会があったが、株価の上昇は少ないものであった。利上げリスクに面しており、現在の水準では投資には値しないと思われ、手元にないのであれば、買い入れることはお勧め出来ない。

リートの利回りは米国債10年物の利回りよりも2%は高いものである必要があり、現在の10年物米国債は約2.37%であり、2%を加えると4.37%となる。しかし、領匯(0823 リンク・リート)の利回りはたった3.65%であり、魅力に欠けるものとなっている。

もし、米ドルが強い勢いを持続すれば、金価格への影響を避けることが出来ない。しかし、ウクライナ、イラクの政情が不安定であり、リスク回避資産として金にはサポート要因がある。この他、金ETFが金の保有高を減らす速度が遅く、今年第1四半期でたった0.2トン減少しただけであり、これにより、金価格は1オンス1150米ドルから1370米ドルを上下すると予想される。

現時点では、アメリカが早めの利上げを行うような要素はなく、先週に米ドル指数が急上昇した後に、既に元に戻っており、短期的には82.6から82.7が天井と見られ、80の水準まで落ち込むことも排除出来ない。但し、米ドルは長期的にはまだ強いものであり、84を突破し、88まで進む様なことがあれば、金をロングすることはお勧めできない。

言い換えると、米ドルは短期的に調整があり、金価格には短期的に反発の機会がある。一旦、1300米ドルの大台を超えれば、1320米ドルまで上昇すると考えられ、その時点で売却し、利益確定するのが良いと考えられる。

同様に米ドルは短期的には弱含みであり、長期的には強いという前提では、ユーロと日本円は1、2ヶ月の短期では反発し、ユーロは対米ドルで1.33から1.34まで上昇、日本円は101円付近まで上昇すると予想される。しかし、半年から1年といった長期的には、ユーロは1.26から1.27まで、日本円は105円から106円の水準まで下落すると予想される。

ユーロは反発期待出来ない

外国為替の動きを分析すると、強い米ドルには疑いがない。また、ユーロ経済が比較的良くなく、対ロシア制裁が反映しており、ユーロは早々反発せず、一旦は短期的に1.33まで上昇して売られ、1.27まで落ちてくると予想される。

米ドルが強い勢いである他に、その他の通貨は国内要因の影響を受けると思われる。日本では第2四半期のGDPは6.8%縮小しており、加えて来年には消費税が10%にまで上昇することもあり、中央銀行である日本銀行はより進んだ量的緩和に進むと見られ、日本円は年末には108円を見せることになると思われる。

高利率であるオーストラリアドルとニュージーランドドルは、豪ドルの動きは安定しているものの、オーストラリア経済は芳しいものでもなく、産出する資源や乳産品価格にも圧力を受け、通貨政策も変更されると見られ、0.88米ドルに落ち込んだところで買入を検討するのが良いと考える。

ニュージーランドドルは利上げが相当進んでおり、通貨政策も穏やかなものとなっており、0.79米ドルに落ち込んで来ることがあると考えられる。

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