この頃公表される中国の経済データの多くがおしなべて予想よりも悪く、また、利上げ観測も加わり、香港株式市場は7取引日連続で下落を記録し、恒生指数(ハンセン指数)は累計で1000ポイント近く下げた。昨日は50日線(24440ポイント)を割り込み、238ポイント安の24356ポイントまで落ち込んだ。その中でもマカオカジノ銘柄株式は労働争議問題が発生していることも重なり、売りが相次いだ。
恒生指数(ハンセン指数)は昨日184ポイント低く開始した後、その後急落、一時は295ポイント落ち込み、24300ポイントをつけた。終値は238ポイント安の24356ポイントとなり、出来高は666億香港ドルであった。恒生指数(ハンセン指数)は7取引日連続の下落で、既に累計で960ポイントの下落幅となっている。恒生中国企業指数(HSCEI)は179ポイント安の終値10834ポイントとなっている。
マーケットではマカオのカジノ収益が高成長を再び見せることはないと予測しており、また、労働争議も加わったことで、マカオカジノ銘柄株式は売りが相次ぎ、わずか半月で10%超も株価を下げた銘柄も出て来ている。マカオの6大カジノオペレーターにおいて、今月だけで千億香港ドルもの時価総額が蒸発している。銀河娯楽(0027 ギャラクシー)は昨日の終値で3%安となり、下げ幅2番目のブルーチップとなり、9月月初から現在までで10.5%株価を下げ、259億香港ドルの時価総額を失った。その他のマカオカジノ株式の状況も惨憺たるもので、永利澳門(1128 ウィン)、SJM(0880 澳門博彩)の9月月初から11%と9.3%の下落となっている。
銘柄 | 9/15終値 (香港ドル) |
変動幅(%) | 9月月初からの 時価総額流出額 (億香港ドル) |
9月月初からの 累積下落幅(%) |
---|---|---|---|---|
銀河娯楽(0027) | 52.30 | -3.3 | -259 | -10.5 |
SJM(0880) | 17.68 | -2.1 | -103 | -9.3 |
永利澳門(1128) | 26.20 | -2.2 | -182 | -11.8 |
金沙中国(1928) | 46.00 | -1.4 | -363 | -8.9 |
美高梅中国(2282) | 23.55 | -2.3 | -80 | -8.2 |
新濠博亜(6883) | 70.70 | -2.1 | -36 | -3.0 |
石油及び石油化学銘柄がマーケット下落の主要要因となっている。中国石油化工(0386 シノペック)が中石化銷售公司(販売会社)の株式を25名の投資家に売出し、1千億香港ドルを超える資金調達を行う。これにより、株価が圧力を受け、6.8%安の終値7.25%となり、昨日に1番の下げ幅と記録したブルーチップとなった。国際的な原油価格が弱含みとなっている動きを受け、中国海洋石油(0883 CNOOC)と中国石油(0857 ペトロチャイナ)はそれぞれ1.4%と1%安となった。
貸付利率が徐々に下降しており、それが銀行にとって、普遍的な状態となるかもしれないとの発表が中国人民銀行によりあった。中国国内銀行株式はこの材料を受け下落、重慶農村商業銀行(3618)が3.4%下落、重慶銀行(1963)と招商銀行(3968)は2.9%、1.4%の下げとなった。
今後のマーケットであるが、既に1000ポイント近く下げた為、短期的には現水準で留まり、24000ポイントに強いサポートがあると考える。今後は、上海・香港間で互いの上場株式に対する直接投資を相互に認める制度「滬港通」(上海・香港ストックコネクト)の開始日が決まってから、恒生指数(ハンセン指数)が反発、24800ポイントに挑戦する展開になると予想される。