セントラル占拠デモで激震 今後の投資の見通しとは? - 香港カラフルFP

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セントラル占拠デモで激震 今後の投資の見通しとは?

セントラル占拠デモがますます過熱し、どれだけ長引くのかは、現時点では予想するのがなかなか難しい。現時点で多くのファンドマネージャーは1989年の天安門事件のようにはならないと考えているが、短期的な市場変動を免れることは出来ない。しばらく様子見とするマーケット参加者もおり、デフェンシブ株の方で慎重に運用するものもいる。しかし、今が低価格水準で買い入れる好機と見るファンドマネジャーもおり、デモの影響を受けない中国資本株に注目が集まる。

セントラル占拠デモが発生し、恒生指数(ハンセン指数)は先週二日連続で下落し、香港ドルも弱くなり、銀行間コール市場も2ヶ月来の高い水準となり、資金流出を反映したものとなった。状況の変化は速く、各界の投資家は先を前もって見通すことが出来なかった。

先週木曜日の晩に、香港政府は政治改革担当の政府高官とデモを主導する学生との対話を予定と発表、状況は緩和するように思われた。しかし、先週金曜日にデモ拠点である旺角(モンコック)と銅鑼湾(コーズウェイベイ)において、反デモ派が出現し、デモ参加者との衝突があり、学生は政府高官との対話を棚上げ、今週になり、ようやくまだ対話の道が開かれた。

学生代表は対話を拒絶 マーケットの変動は続く見込み

デモの状況はかなり混乱しているが、コントロールされており、ここ1週間で、香港政府は重武装のデモ制圧部隊をまず撤退させ、状況が一旦和らいだ。しかし、双方の見解の歩み寄り、意見合意にまでは至っていない。

現在の状況は、1989年の天安門事件前夜と似ているところがあるが、実際のところ、異なっている点も多い。今回のデモ運動の自発的であることが大きく、中でもフェースブックや、ツイッターといったソーシャルメディアが大きな役割を果たしている。催涙ガスが発射され、テレビ画面を通してでもショックであったが、ソーシャルメディアでは爆発的に取り上げられ、結果、数万人が集まることとなった。実際に、デモを呼びかけた団体でも事前にこれほどの規模になると予測しておらず、日曜日深夜にセントラル占拠を呼びかけた際は、数千人規模を予想しただけであった。

天安門事件は再び起きない

1989年の天安門事件とは状況は異なる。当時は数多くの学生団体が組織され、天安門広場前を占拠していた。その占拠は長期にわたっており、その組織力もとても強いとなっていた。一方、今回のセントラル占拠デモの組織力は比較的弱いものであり、強い勢いを持続していくのは難しく、徐々に勢いは弱まっていくと思われる。現時点の状況からは、中国解放軍が香港の街中に現れ、流血の事態となる可能性は大きくないと言える。また、北京中央政府も流血の事態とならずに、平和裏に解決したと考えているとの報もある。

マーケットの反応から見ると、投資家は現在の状況を天安門事件の時のようであるとは見ていない。天安門事件が発生した翌日の1989年6月5日に、恒生指数(ハンセン指数)は2675ポイントから2093ポイントに下落、1日で21.75%の下落となった。一方、先週月曜日の恒生指数(ハンセン指数)は下落幅は1.9%に過ぎず、2日間の下落幅も僅か3.18%だった。

今回のセントラル占拠デモによって、大量の資金が流出し、香港株式市場が大幅安となることはないのだろうか?現段階では資金の大量流出はないものと考えられる。もし、対立が続き、デモ参加者が絶えず集まれば、投資家が中国・香港市場への投資リスクを改めて考えることとなろう。香港における銀行システムの流動性も緊迫してくるかもしれないし、コール市場や為替レートも圧力を受けて来る。先週月曜・火曜で株式市場は下落したが、国慶節休暇前に投資家は一部を利益確定しており、月曜日に不動産銘柄が大幅に下落、火曜日は既に下落に息切れ感を感じ、既に底打ちをしたように見える。

天安門事件で70%のリターンを獲得出来ていた

万が一に、最悪の状況が出現、流血の事態が発生したとすれば、天安門事件の香港株式市場の動きから見ると、恒生指数(ハンセン指数)は1年後に事件発生前の水準に回復している。その中でも、不動産銘柄の下げ幅が一番大きく、一方、HSBC(0005)は事件発生の年内に事件発生前の水準にまで回復していた。

天安門事件発生後に、恒生指数(ハンセン指数)は同年の高値から40%近く下落、その内、不動産銘柄の下落が最大となった。長江実業(0001)は1989年5月15日に10.99香港ドルの高値を付け、6月5日には5.686香港ドルにまで落ち込み、半月で48.27%下落した。翌年90年5月4日に10.71香港ドルまで戻り、事件前の水準に接近した。新鴻基地産(0016 サンホンカイ不動産)は事件前の高値が5月11日の13.29香港ドルで、6月6日には5.837香港ドルにまで下がり、半月で56.15%の下げを記録した。

その当時から人々の人気銘柄であったHSBC(0005 香港上海銀行)は、ディフェンシブな側面も有しており、下げ幅も最も小さかった。5月16日の7.396香港ドルから6月5日に5.339香港ドルまで下げ、その下げ幅は27.81%であった。同年10月31日には5月中頃の水準にまで回復、12月には8.56香港ドルとなり、最高値を更新した。

マーケット全体を見ると、89年の天安門事件直後の安値圏で買入れると、1990年7月時点で恒生指数(ハンセン指数)は70%もの反発をしている。大きなショックの機会に安値で買い入れると、悪くないリターンを得ることが出来ることを反映している。

中国資本の株式買いを推奨

現在の香港株式市場の構成は、89年当時とは異なり、一旦、デモが発生し、不動産銘柄がプレッシャーを受けた他に、小売業銘柄も大きく下げた。HSBCは以前とは異なり、ディフェンシブ効果を必ずしも発揮するとは限らない。

香港株式は先週明らかに調整に入っているが、ファンドマネージャー達は今は買い入れの時機とは見ていない。セントラル占拠デモの要因の他に、世界のマクロ経済要素も影響している。現在の香港株式市場は下向いており、世界のマクロ経済状況と、中国経済データが弱くなってきていることと、無関係ではない。アメリカにおける量的緩和終了の憂慮に対応する為、現金の比率を増やすファンドも出て来ているが、同時に新たな投資機会を探している状況でもある。

マーケットに目を戻すと、最も理想的なのは、政府とデモ参加者との対立が数日で解決することであるが、もし、長引くようであれば、香港のビジネス環境にも影響が現れ、デモが激化するリスクもある。その為、香港マーケットにはまだニュートラルである、不透明な情勢であるということもあり、急いで買い入れる必要はないと認識する。

この占拠デモにより最も影響を受ける株式として、小売業、テナントリース業が中期的な影響を受けると思われる。デモが行われている金鐘(アドミラルティ)、銅鑼湾(コーズウェイベイ)に店舗を持つ企業が特に大きな影響を受けると思われる。もし、この占拠デモ活動が理性的に解決されると考えるのであれば、この安値で買い入れることが出来る。しかし、ディフェンシブ銘柄を中心に構成したいのであれば、不動産や小売業といった高リスク銘柄に期待を抱くのは良くなく、セントラル占領デモ運動の影響を受けない大家楽(0341)や港鉄(0066 MTR)といった株式銘柄を選択するのが良いと思われる。

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