中国政府の成長維持政策 「四中全会」銘柄株式はひたひたと取引上昇 - 香港カラフルFP

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中国政府の成長維持政策 「四中全会」銘柄株式はひたひたと取引上昇

中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議(四中全会)が10月20日から23日に北京で開催され、「法による治国」を主要な議題とされ、経済に関する議題は必ずしも多くはない。しかし、マーケットでは軍需産業改革が議題に出されると推測しており、この頃、軍需産業関連銘柄の株式がまず強気に転じている。同時に四中全会にて、現在推進している環境保全政策や国営企業改革といった改革を強調、深めると見られている。これにより、水利、クリーンエネルギー、医薬や白色家電等といった国策産業が恩恵を受け、今後上昇すると見られている。

先週初めは、香港の金融街であるセントラル占拠デモ運動の衝撃が少し弱まり、香港株式は反発し、恒生指数(ハンセン指数)は一時23500ポイントまで上昇した。しかし、残念なことに、週末になり、世界経済停滞の懸念が再度持ち上がり、アメリカのダウ・ジョーンズ工業株価平均指数は先週木曜日に300ポイント以上急落した。また、香港では香港政府とデモを行っている学生代表との対話が取りやめとなり、香港株式市場は先週金曜日に445ポイントも大きく下げ、その結果、恒生指数(ハンセン指数)は元のレベルに戻り、1週を通して僅か23ポイント上昇しただけだった。マーケットは変動しており、上海・香港間で互いの上場株式に対する直接投資を相互に認める制度「滬港通」(上海・香港ストックコネクト)が予定通りに10月に開始出来るのかどうかはまだ未知である。今後はマーケットを選択するのではなく、個別銘柄で選択すべきと考える。また、今後の焦点は10月20日から23日に北京で開催される中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議(四中全会)にあり、国策で恩恵を受ける銘柄に期待が出来る。

通常、「三中全会」では国家全体の発展路線について取り決めを行い、「四中全会」においては、「三中全会」での施策を深めることを行う。

今回の四中全会の主要議題は「法による治国」としており、経済刺激政策は出されるのは僅かであり、必ずしも株式市場にとって好材料となるとは限らない。今回の中国政府は今までと異なり、経済成長の数値を重点としておらず、三中全会の施策において、既に地方政府に対してGDP目標を弱めることを既に要求している。

四中全会の実質的な意義は重大

表面上では、四中全会の主要議題と株式市場との関係は大きくないと思えるが、実質的な意義は大きい。それは、チャイナ・プレミアムを押し下げる助けとなり、中長期でその影響が徐々に現れて来るからである。簡単にいうと、中国政府が現在重視するのが、量の変化から質の変化にあり、構造改革がまず行われている。

世界銀行は中国の今年の成長率を7.6%から7.4%、来年を7.5%から7.2%に変更する下方修正を行い、2016年の中国経済の成長率は更に鈍化し、7.1%になるとしている。世界銀行によると、中国は地方政府の債務をコントロールし、シャドーバンキングを抑制、そして、生産規模の過度の拡張、高いエネルギー需要と高汚染問題に対応し、投資と製造業の生産を減少させることになる。

中国中央政府も既に、今年の経済成長は7.5%よりも低くても受け入れ可能な範囲であると表明している。李克強総理は国務院部門主要担当者会議において、7.5%が最低ラインだという誤解が存在しているが、実際は、「7.5%前後で、少し高くても、少し低くても良い。重要なのは、雇用が増加するか否か、収入が伸びるか否かである」と指摘している。

今回の四中全会は初めて中央委員会全体会議の議題に法治を議題にする。法に依る執政や司法システム改革といった司法改革を切り口にすると予想される。もう一点のテーマは軍需産業改革であるが、香港株式市場に上場する軍需関連銘柄は多くない。

軍需関連銘柄にはストップロスが必要

四中全会にて軍事費が増加し、軍備強化、軍需産業構造を調整することがマーケットで期待され、この頃、軍需産業関連銘柄が取引が過熱して来ている。香港で上場している軍需関連銘柄の内、中航工業(0232)が良い動きで最も突出し、ここ1ヵ月で株価は1倍以上上昇した。しかし、軍需関連銘柄はそのコンセプトが先行しており、利益力についてはまだ観察する必要がある。この為、短期取引であれば良く、ストップロスも併せてしっかり行っておきたい。

現在、香港に上場している航空宇宙企業は中国航空工業集団と中国航天科技集団の2つのグループに主に属している。共に国有であり、大型企業である。前者は香港で上場する中航科工(2357)と中航工業、中航国際(0161)を子会社としている。

もう一つの軍需関連銘柄である航天控股(0031)は中国航天科技集団の香港上場会社であり、宇宙技術や製品(宇宙船、ロケット、衛星等)の研究開発、生産を行っている。中航工業が発表した上半期の業績は、収益3488億人民元で111%増となっているが、損失が昨年同期の2694億元から1.34億人民元拡大した。一方、航天控股は、上半期の売上高が12.58億人民元、8.9%増となった。しかし、純利益は76.2%後退し、8793万人民元となった。軍需関連銘柄は株価が上昇しているが、ファンダメンタル面ではサポート要素に欠けていることが分かる。

金融株式は政策の発表を期待

マーケットでは四中全会にて必ずしも明確な経済刺激政策が発表されないとしても、現在、推進している改革をやり抜き、深めることを強調することが予測される。この改革には、クリーンエネルギーの発展と国営企業改革が含まれ、これにより、個別銘柄として、BYD(1211)、信儀光能(0968)と新奥能源(2688)が最近取引が過熱してきている。

自由貿易区の発展ペースは予想よりも遅いものであり、金融政策が更に発表される可能性がある為、金融銘柄には留意すべきと考える。この他、今回の政府は、都市化、土地流通制度改革と農民の収入増加等といった構造改革に重点をおいており、都市化と農業関連銘柄が長期保有に適すると思われる。また、政府は内需に着目しており、日常用品、医薬と白色家電関連銘柄に注目しておきたい。

経済成長の鈍化、反腐敗、地方政府の負債、過剰生産能力等といった多くの難局に中国は目下面していることに、投資家は注意をしておきたい。しかし、9月度の製造業購買担当者指数(PMI)は悪すぎはせず、四中全会前後で預金準備率は下げないと思われるので、無駄な動きをしないようにしたい。

また、注意しておきたいのが、国務院弁交庁が発表した「地方政府の債務管理強化に関する国務院の意見」である。これは、例えば地方政府が起債する際に、その償還責任を具体的にし、中央政府は救済を行わないという原則となっている。これは、資金緊縮を行うものであり、理財商品といった資金調達の裏道を閉ざすものである。ここから、四中全会開催前に、北京中央政府が地方政府の債務管理を強化することを表明し、率先して、法に依る治国の理念を貫徹しようとしている。

二大要素がA株の反発を呼び込む

中国のファンダメンタルは悪化しているが、中国国内の株式市場はここ数ヶ月で10%超も上昇している。この反発は来年まで持続すると見られている。これは2つの要素によるもので、一つは預金準備比率の緩和と新たに導入される金融緩和ツールが借入コストの引下げと流動性の提供に貢献していることである。二つ目は中国の新世代のリーダーが出て来た後、経済と国営企業改革を押し進め、2012年中頃からあったA株のリスクプレミアムを下げたことである。

2015年には上海総合指数は2800ポイント、上海シンセン300指数は2900ポイント、国営企業指数は12000ポイントになると思われる。HSBC香港/中国投資ポートフォリオでは、中国海外(0688)、ASM太平洋(0522)、中国交通建設(1800)と海爾電器(1169 ハイアール)が最近追加された。また、民生銀行(1988)、香港証券取引所(0388)、中国銀河証券(6881)、美高梅中国(2282 MGM)、中国石油天然気(0857 ペトロチャイナ)、北控水務(0371)と国薬(1099 サイノファーム)等が有望と見られている。

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