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原油価格の低迷による勝者は誰になるか?

近年の金融市場は分裂の時代に入り、原油価格の下落は原油輸出国と輸入国が直面する経済環境に大きな変化を与え、各国の通貨政策の相違がより拡大した。投資家はインドや日本等の原油輸入国、輸送業や小売業等の原油価格低下の恩恵を受ける国や業界から好銘柄を探し出すことが出来よう。

原油価格は昨年秋頃から大きく下落し、投資市場に大きな衝撃をもたらした。しかし、原油価格下落は良い点もあり、インフレ抑制により消費者にメリットあるものとなる。またその一方、中央銀行にとっては、量的緩和政策と経済刺激策を行う余地が大きくなる。これまでの経験からすると、今回もその例外ではないと言える。

再度の100米ドル越えは難しい原油価格

現在の原油価格が既に底に近く、来年には徐々に回復上昇すると見られていても、1バレル100米ドルの水準まで回復する可能性は大きくないと見える。つまり、投資家は低い原油価格の環境下で上手くやっていく準備をする必要がある、ということだ。

半年以上もの低い原油価格の環境で、石油輸入国の通貨政策に変化の兆しが出て来ており、それは新興国において特に顕著である。原油価格の下落に伴い、新興国市場において石油輸入国のインフレ率は既に米国に類似した水準にまで落ち着き、一部中央銀行では量的緩和政策や利上げペースの減速などを行うところも出て来ている。相反して、新興国市場における原油輸出国では資金流出と通貨安のプレッシャーに直面しており、緊縮通貨政策を余儀なくされかねない。

先進国においては、原油価格が安値に落ち着くことで、インフレが低下し、各国の通貨政策における差が更に大きくなると見込まれる。ユーロ圏と日本においては、既に国債買い入れプログラムを既に展開しており、インフレが緩む流れに対抗する為に、両地の中央銀行では利率をゼロに近い水準にまで引き下げている。米国連邦準備制度理事会では、原油価格下落がもたらしたインフレ緩和効果を打ち消すため、今年中頃に利上げをすると見られている。

各国の中央銀行による政策の違いと下落した原油価格という環境に直面し、インドや日本等の中央銀行が緩和政策を採る石油輸入国にとって、株式市場にとって有利となり、勝ち組となろう。世界第2の石油輸入国である中国もそのメリットを受け、国際通貨基金 IMF の予測では、原油価格の低下が中国の経済成長を0.4%から0.7%ほど引上げるとされている。

これと同時に、消費者物価指数にエネルギーが占める割合が高い国家もまた勝ち組となろう。ポーランド、ハンガリー、インドネシア、インドとマレーシアがこれに当たり、トルコ、南アフリカと韓国もメリットを受け得よう。現在のゼロ金利に近い環境下において、上述の国家の利回りはともに魅力的なものとなろう。特にリターンを求める投資家にとって、新興ヨーロッパ諸国は潜在力を備えているといえよう。

エネルギー銘柄はよく選択する必要あり

業界別に見ていくと、原油価格の低下は輸送業にとってコスト削減要因となる。また、家計の可処分所得が上昇し、消費者と小売業ともに勝ち組となる。輸送業と小売業の株価はすでに少なからず上昇しているものの、関連企業の利益予測が上方修正されるに連れ、株価も相当に上がると見られている。その価格に大きく調整が入ったエネルギー株に至っては、銘柄を選ぶと買い入れることも検討出来る。その中でも、財務状況が良好であり、高利息で総合的な業務モデルを有する大型エネルギー企業は上昇が期待できるであろう。

しかし、短期においては、石油サービス企業の大部分を避けるべきだと考える。この他、ベネズエラや債務超過気味の米国のシェールガス企業といった資金留保に限度があり、債券による資金調達に難が有る石油輸出国や企業は、原油価格下落の最大の負け組と言え、軽々しく手を出してはいけない。

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