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不明なEU政治情勢、世界の資金が再びアジアに

イギリスのEU離脱の影響がドミノ効果を誘発し、この先一年は世界の投資市場が絶え間なく変動すると見られます。下半期の見通しでは、アジアの株式市場は今のところイギリスのEU離脱の余波を免れているものの、中国経済を振り返ると欧州からの影響が比較的少ない事や、世界の投資家によるアジアへの配置資産も少なめとなっていることから、魅力的余地があるアジア市場に資金が流入すると考えられます。このため中期投資家が下半期にアジア市場への投資増加を検討する可能性があるでしょう。

マーケットの予想に反して英国民投票でEU離脱派が勝利を収め、英国のEU離脱が派生する政治面の不確定要因が将来的にマーケットに影響を与えると考えられる。その一つとしてスコットランドの独立を問う国民投票再燃の可能性も含まれる。また、英国のEU離脱後、貿易協定の改訂で交渉しなければならない項目は124項目もあり、2年にわたる交渉期間中は不確定要因がマーケットに影響し続けると見られます。このほか、英国を追随してその他EU構成国によるEU離脱懸念や、今年11月の米大統領総選挙も、市場の変動幅を大きくさせる可能性があります。

英EU離脱の影響を最も受ける韓国・台湾

英国のEU離脱による余波がどれ程となるのかは推測が難しく、今年10月のイタリア参議院選挙や、来年のドイツとフランスにおける総選挙も予想数の変動幅が拡大すると見られ、欧州経済に対する影響は推測し難くなっています。EUの対外貿易収入に占めるアジアの比重はさほど高くなく、アジア内で最も影響があるのは韓国と台湾となります。しかし、英国以外のEU先進国の対外貿易収入に占める韓国・台湾の割合は10%および14%にとどまっており、アジア市場が欧州経済から受ける影響はやや低いと言えます。このため、一部の資金がアジア市場に流れ込む可能性もあると考えられます。

ファンダメンタルズで論ずれば、アジア市場は継続的に改善しています。中国経済がハードランディングする可能性は低いと見られ、インドやベトナムといった一部のエリアの経済は成長速度が加速し始めており、アジア各国の政府もさらなる経済刺激策を打ち出す可能性があります。また、同時に優良企業の利益が継続して増加する可能性があると見ています。

世界の投資家による米国株への資産配置が高すぎるため、米国株はすでに上昇力が疲労し下落幅も少なくない。一部の投資家は世界的な資産配置の再編を考慮し始めており、現在のグローバルファンド (ETFを含む)のアジア市場への資産配置が低めでアジア株の相場にまだ上昇の余地があることや、現在のアジア市場にファンダメンタルズの改善が見られるほか、評価額が史上最低水準につけていることもあり、欧米などの市場より低いことから、資金の流れがアジアの株式市場に転換するメリットは大いにあると見られます。

アジア市場の評価額が史上最低水準へ下落

過去事例を参考にすると、常々アジア市場(日本除く)が世界の経済危機による影響を受けてきたこと、そして評価額が史上最低水準へ落ち込んでいることから、この先12カ月大幅に反発するとみられます。2008年の金融ショック爆発後などは、アジア(日本除く)市場の純資産倍率は2009年2月に1.23倍へ下落し、その後12カ月間で市場は累積上昇幅を84%伸ばしました。またアジア金融危機後では、アジア(日本除く)市場の純資産倍率は1998年8月に0.94倍に下落し、その後12カ月で市場は累積幅が114%上昇しました。そして、昨年12月に市場の純資産倍率は1.18倍に下落した後、現在は1.34倍となっており、依然として価値を見込める水準となっています。
  
また、アジア(日本除く)の株式市場は見込みが有り、アジア内の個別の株式市場となると、もしファンダメンタルズで見れば、下半期はフィリピンが比較的楽観できるものの、この株式市場はすでに上昇動力が衰退してきており、現在の評価額がすでに高すぎるため、もし評価額で見るならば香港H株の方がまだ見込みがあるとみられます。
また、インド及びベトナム市場はより楽観視でき、インド経済は恩恵を受けてインフラ建設を増加でき、ベトナム経済は人件費が低いため、外資による現地の工場建設等への投資が引き続き拡大すると見ています。

アジアの株式市場の先行きが楽観的とはいえ、下半期は世界の株式市場での変動は避け難いでしょう。複数の資産クラスを保有する分散投資が、投資リスク低下の一助になり、株式投資だけでなく、債券をポートフォリオに組み込むことが賢明でしょう。

高金利債券なら、まずはユーロ圏

低金利環境にとどまらず一部では政策金利がマイナスとなる中、ほとんどの国々で政策金利を低下せざるを得なくなっている。そして、米国の高金利債券やグローバルな高金利債券が高く評価されています。多くの成熟市場が例えば欧州の投資格付けほど高くないため、下半期には格付けの比較的高い企業への投資が期待できるとみられます。

高金利債券となると、第一の選択としてユーロ圏、そして米国の債券に見込みありと見ています。その理由として、エネルギー債が欧州の高金利債券市場に占める比重が、米国の高金利債券市場と比べて低いことです。つまり欧州の高金利債券市場はエネルギー債の債務不履行リスクが比較的低いことが挙げられます。しかし実際は欧州の債券もしくは米国債への投資は為替相場への投資のようなものであるため、ユーロ為替相場の下落リスクへの直面を考えれば、米国の高金利債券を選ぶほうが為替リスクを免れることができます。そして新興市場国の債券に対してはニュートラルの姿勢を保ち、とても慎重な選択を行うべきでしょう。

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